来年はもっと
こんにちは、大野事務所の鈴木です。
12月も最終週となりました。
1.おかげさまで
私たちのグループでも年末調整に係る業務が峠を超えつつあり、全国の人事担当者を右往左往させた定額減税の制度も一区切りを迎え、年末に向け仕事を収束させていく様子が見て取れます。他方、12/2からマイナ保険証の制度開始に伴い、お問い合わせや前もって見直した業務フローがキックオフとなり、制度理解やオペレーションのアップデートに追われています。例年にも増して慌しい師走といった感があり、引き続き心身の健康に十分留意し、最後まで走り抜けたいところです。
さて先日、私たちのグループでは一足先に忘年会を行いました。参加者の皆様には大変な業務繁忙の中調整頂き、会場では100名超の団体とバッティングするというハプニングにも見舞われたものの、諸先輩方のお人柄によって盛り上げて頂き、日頃の皆様のご尽力をお互いに労って頂く場となりました。
私たちのグループは相対的に入社年次の浅い方が多く所属されていますが、前職での豊富なご経験等から関与先様のニーズや状況に柔軟に対応し、ご自身の業務改善や、社労士としての専門性を日々追求されています。お互いの状況を気にかけ、お互いの業務の大変さを理解し、認め合う風土があるように感じられます。問題が生じたときにも矛先を向けるようなニュアンスがなく、努めてポジティブに改善を志向されているように見受けられます。
グループとして今年を振り返りますと、新しい関与先様や新しいお仕事をお引き受けするようなシーンが多く、特に年次の浅い方は環境の変化に適応するのに必死だったと思うのですが、そのような困難も乗り越え無事に完走頂いたこと、大変有難いことだと心に染み入ります。また、ルーティンに留まらず業務内外でチャレンジを試行する皆様の姿勢にも、感銘を受けました。繁忙期の只中の12月に新たな日常業務の追加をご相談した折には、決して時間に余裕があるわけではないにもかかわらず、全員が率先して挙手頂いた場面が思い出され、業務自体は関与先様毎に独立しているものの、グループ内で共通する部分ではスムーズに協働頂く風土を醸成頂き、とても恵まれた環境で一年間お仕事をさせて頂いたなあ、と感謝に堪えません。
2.問題を先回りして解決できなかった
ところで会の最中、業務繁忙に際して話題が及び、ある方の特定時期に業務が集中してしまった折、
「すいません、何だか忙しいアピールみたいになってしまって…」
「全然そんなことないです、本当に助かっているので」
「むしろ、すぐ言った方がいいですよ。鈴木さんが聞きますから」
「そうです、溜めずにどんどん言った方がいいですよ」
といったくだりがあり、遡ること数週間前にグループ内で話題となった業務繁忙について、再度話題となり振り返る機会がありました。冗談めかした宴席の場ではありましたが、思い返せば非常に考えさせられる出来事でした。
例えば、ある人が「実は○○について相談があるのですが」といって誰かに相談するとき、本人はどのくらい○○について悩んでいるのか、あるいは悩んできたのかといえば、人にもよりますが直ちに不満を表出するわけではなく、ある程度の期間悩んで自問自答を繰り返し、熟考の末相談に至るのではないでしょうか。出来事の受け手(あるいは言われた方)は○○について頭の中で反芻し、神経を摩耗している可能性もありますが、出来事の出し手(あるいは言った方)は多くの場合、覚えていなかったりします。
A『ずっと気になってたんだけど…』
B『言われなければわからない』
B『じゃあそのとき言ってよ』
という痴話喧嘩のような話がなくならないのも、仕方のないことかもしれません。
1の顕在化した問題(相談)があったなら、ハインリッヒの法則さながら、少なくとも本人の中では相当数の違和感やもやつきがあったと考えて然るべきです。その時点では悩みを明確に自覚できていなかったとしても、言い表せないような大小様々な弊害があったかもしれません。つまり、言われてから気付くのでは遅すぎるわけですが、大変恥ずかしい限りですが、中々状況の悪化に気付けず問題の発出に至った、というわけです。
問題は一旦小康状態となったものの、解決には至っていませんので、年始にかけて引き続き改善を図っていくことになります。今回は偶々問題を発出して頂いたからよかったものの、日頃から問題、状況、情報等を能動的にキャッチアップしにいくことや、「何を言っても大丈夫だ」という場づくり、適切な言葉選び等が重要だと改めて痛感しました。
3.来年はもっと!
来年も雇用保険法や育介法等の重要な法改正が控えておりますし、巷で話題の年収の壁についても何らかの進展が想定される等、人事労務界隈は落ち着かない日々が続きそうです。
とはいえ忙しい只中で余裕がない状態で業務が継続すれば、ミスを誘発するだけでなく、ネガティブな感情を抱いたり、モチベーションの低下を招いたりする恐れがあります。それはあらゆる関係者にとって不幸なことですから、やはり気持ちよく働いて頂ける環境形成が肝要であるところ、そのためにも、大小様々な情報共有を図りながら、業務フローを細かく見直し、新しい仕組みやツールに柔軟に適応しながら、グループ一丸となって業務改善に取り組み、労働環境の改善とお客様への価値提供を両立すべく努めてまいります。
皆様にとって2024年は、どのような一年だったでしょうか?
個人的には、年初に立てた目標を概ね達成できたものの、グループの皆様に掲げた「1日15分の”余白”をつくる」には遠く及ばない、業務多忙な状況でフィニッシュとなってしまい、悔しい一年となってしまいました。悔しさをばねに、個人としてもグループとしても、来年はもっと良い一年を目指していきたいと思います。
2025年も皆様にとって、素敵な充実した年となることを祈念しまして、本稿の結びとさせて頂きます。
執筆者:鈴木
鈴木 俊輔 特定社会保険労務士
第3事業部 グループリーダー
秋田県出身。明治大学文学部卒業。
新卒でガス会社に入社し、現場と本店を経験。その中で「人」について考える仕事がしたいと思い至り、人事労務の専門家である社労士を志し、この業界に入りました。
大野事務所に入所し約5年。社労士として研鑽を積む傍ら、副業で再エネ事業、BPO事業を営んでいます。前職や副業で培った経験と、先輩や上司から頂いた金言を大切に、お客様への価値提供と業務改善を常に意識しながら、日々仕事に取り組んでいます。
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