メンタルヘルス不調による休業・退職 心理的負荷による精神障害の労災認定基準改正について
※弊事務所のお客様に対し、タイムリーな情報提供を目的として配信しているメールです。
平素は大変お世話になっております。
社会保険労務士法人大野事務所のメール配信事務局です。
本日は以下2点についてご案内します。
==目次==================================
【1】 メンタルヘルス不調による休業・退職について
【2】 心理的負荷による精神障害の労災認定基準改正について
======================================
【1】 メンタルヘルス不調による休業・退職について
厚生労働省が公表している令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は13.3%となり、前年より3.2%増加しました。事業所規模別では以下のとおりです。
・1000人以上 93.5%
・500~999人 89.4%
・300~499人 66.4%
・100~299人 52%
・50~99人 27.4%
・30~49人 19.2%
・10~29人 6.9%
また、個人別の調査によると、仕事や職業生活に関することでストレスを感じる事柄があると回答した労働者の割合は82.2%となり、前年の53.3%を大きく上回りました。なお、平成25年以降、同調査の数値は52~60%を推移しており、例年と比べても、仕事や職業生活にストレスを感じている労働者の割合は著しく増加したことが読み取れます。ほかにも、「労働安全衛生調査」には、メンタルヘルス対策への会社の取組状況や、ストレスチェック結果の活用状況などの調査結果が記載されています。ぜひご一読いただき、安全な職場環境の形成にお役立てください。
■令和4年 「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 / 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r04-46-50_gaikyo.pdf
【2】 心理的負荷による精神障害の労災認定基準改正について
2023年9月に、精神障害の労災認定基準が改正されました。改正の主なポイントは以下のとおりです。
●業務による心理的負荷評価表の見直し
・具体的出来事にいわゆる「カスタマーハラスメント」を追加
・具体的出来事に「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
・心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等)
●精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
・悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める
●速やかに労災決定ができるよう、医学意見の収集方法を効率化
精神障害の労災保険給付請求件数は年々増加しており、令和4年度には2,683件となりました。こうした現象の背景には、同制度への認知度が高まってきたことや、働き方の多様化が進み、労働者を取り巻く職場環境が変貌してきたといった社会情勢の変化があると考えられています。このような中、会社様におかれましても、精神障害への認識を深め、職場環境を整備することが求められています。
■精神障害の労災認定基準を改正しました / リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/001141177.pdf
■精神障害の労災認定基準を改正しました / 厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34888.html
なお、弊事務所ホームページでは法改正情報等のニュースやコラムを定期的に掲載しておりますので、是非ご参照ください。
■法改正情報
https://www.ohno-jimusho.co.jp/special_info/sp03/
■大野事務所コラム
https://www.ohno-jimusho.co.jp/category/cate-3/#catetitle
過去のニュース
ニュースリリース
- 2024.08.22 ニュース
- 【正規職員・契約職員・パート職員募集】リクルート情報
- 2024.11.20 大野事務所コラム
- 介護についての法改正動向
- 2024.11.14 ニュース
- 『月刊不動産』に寄稿しました【未払い賃金請求権と時効期間】
- 2024.11.22 これまでの情報配信メール
- データでみる70歳以上の定年・継続雇用制度の導入効果と工夫、大野事務所モデル規程・協定一部改定のお知らせ
- 2024.11.12 これまでの情報配信メール
- 過重労働解消キャンペーン、2024年12月からの企業型DCおよびiDeCoの変更点について
- 2024.11.13 大野事務所コラム
- PRIDE指標をご存知ですか
- 2024.11.06 大野事務所コラム
- AIは事務所を救うのか?
- 2024.11.05 ニュース
- 『workforce Biz』に寄稿しました【年次有給休暇の付与や取得等に関する基本的なルールと留意点(中編)】
- 2024.10.31 これまでの情報配信メール
- 賃金のデジタル払い、令和7年3月31日高年齢者雇用確保措置における経過措置期間の終了について
- 2024.10.30 大野事務所コラム
- 通勤災害における通勤とは③
- 2024.10.23 大野事務所コラム
- 在籍出向者を受け入れる際の労働条件の明示は出向元・出向先のいずれが行うのか?
- 2024.10.23 ニュース
- 『月刊不動産』に寄稿しました【職場や外出先への移動時間は労働時間に該当するか】
- 2024.10.23 これまでの情報配信メール
- 令和6年年末調整における定額減税に関する事務・簡易な扶養控除等申告書について
- 2024.10.16 大野事務所コラム
- 本当に「かぶ」は抜けるのか―「人と人との関係性」から人事労務を考える㊱
- 2024.10.11 これまでの情報配信メール
- 令和6年版労働経済の分析(労働経済白書)について
- 2024.10.09 大野事務所コラム
- 労働者死傷病報告等の電子申請義務化について
- 2024.10.04 ニュース
- 『workforce Biz』に寄稿しました【年次有給休暇の付与や取得等に関する基本的なルールと留意点(前編)】
- 2024.10.02 これまでの情報配信メール
- 労働者死傷病報告の報告事項改正及び電子申請義務化について
- 2024.10.02 大野事務所コラム
- 女性活躍推進法の改正動向
- 2024.09.26 ニュース
- 『月刊不動産』に寄稿しました【社会保険の適用が拡大されます】
- 2024.09.25 大野事務所コラム
- 社会保険の同月得喪と2以上勤務を考える
- 2024.09.18 大野事務所コラム
- 理想のチーム
- 2024.09.11 大野事務所コラム
- 通勤災害における通勤とは②
- 2024.09.11 これまでの情報配信メール
- 令和6年度地域別最低賃金額の改定状況について・大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドラインについて
- 2024.09.04 大野事務所コラム
- フレックスタイム制適用時における年次有給休暇の時間単位取得と子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得
- 2024.08.28 大野事務所コラム
- やっぱり損はしたくない!―「人と人との関係性」から人事労務を考える㉟
- 2024.08.31 これまでの情報配信メール
- 「健康保険資格情報のお知らせ及び加入者情報」の送付、マイナンバーカードの健康保険証利用について
- 2024.08.21 これまでの情報配信メール
- 雇用保険基本手当日額および高年齢雇用継続給付等の支給限度額変更・令和7年4月1日以降の高年齢雇用継続給付の段階的縮小について
- 2024.08.21 大野事務所コラム
- ライフプラン手当のDC掛金部分を欠勤控除の計算基礎に含めてよいのか?
- 2024.08.15 ニュース
- 『月刊不動産』に寄稿しました【減給の制裁における労働基準法の制限】
- 2024.08.10 これまでの情報配信メール
- 雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績について等
- 2024.08.07 大野事務所コラム
- 1か月単位の変形労働時間制における時間外労働の清算
- 2024.08.02 ニュース
- 『workforce Biz』に寄稿しました【管理監督者の適正性】
- 2024.07.31 大野事務所コラム
- 健康情報取扱規程の作成は義務⁈②
- 2024.07.24 大野事務所コラム
- ナレッジは共有してこそ価値がある
- 2024.08.01 これまでの情報配信メール
- 2024年 企業の「人材確保・退職代行」に関するアンケート調査 カスタマーハラスメント対策企業マニュアルと事例集
- 2024.07.19 これまでの情報配信メール
- 仕事と介護の両立支援に向けた経営者向けガイドライン
- 2024.07.17 大野事務所コラム
- 通勤災害における通勤とは①
- 2024.07.16 ニュース
- 『月刊不動産』に寄稿しました【振替休日と割増賃金】
- 2024.07.10 大野事務所コラム
- これまでの(兼務)出向に関するコラムのご紹介
- 2024.07.08 ニュース
- 『workforce Biz』に寄稿しました【歩合給に対しても割増賃金は必要か?】