少年サッカーとポイントカード―「人と人との関係性」から人事労務を考える㉖
大野事務所の今泉です。
青葉が目に優しいですね。
さて、下のプロフィールにあるように、土日は地元のサッカーチームでボランティア・コーチをやっています。昨年度は1年生と年長さん、今年度は2年生を見ています。低学年ですね。
低学年とは、子どもの発達段階でいうところの「プレゴールデンエイジ」と位置づけられ、ひとつの動作によって、ひとつの神経回路が形成されるという、神経回路の配線が急ピッチで進んでいる時期とされています。運動能力の基礎は、この年代で形成されることになります。
一方で、楽しそうなこと、興味のあることには夢中になりますが、面白くないと感じればすぐにやめてしまう年代でもあります。
そこで、ボールに触れることの楽しさや身体を動かすことの喜びを教えて、”サッカーが好き”という状態で次のゴールデンエイジへ送り出すのがこの年代で大事なことになるのですが、とにかくサッカーが楽しいと思ってもらえることが一番。逆にサッカーを嫌いにならないように気を付けています。
とはいえ、そこはボランティアの素人。何か特別な工夫ができるわけではありません。「やってみせる」他に、「褒める」ことと「注意する」ことくらいなものなのですが、巷間言われるように「褒める」というのは、やはり大事なことだと思います。
それはある行動をした直後に良いことがあると、その行動をもっとするようになるからです。
これは一般に「強化」といわれるものです。
より具体的には、「ある行動の直後に、良いことが起きれば、その行動が増える」あるいは「ある行動の直後に、嫌なことが無くなれば、その行動が増える」という説明がされます。
少年サッカーの例でいえば、次のようになるでしょう。
もちろん、褒められるからサッカーが好きになるわけではありません。
練習の結果、できなかったことができるようになる、みんなでボールを追いかける、そういったことを通してサッカーが好きになっていくわけですが、それを後押しするためであったり、上述のようにその行動を継続するためのきっかけとして「褒める」というアクションを取っている、ということになるでしょう。
ところで、この「褒める」というアクションですが、対象となる行動の直後に行われることが望ましいとされます。「60秒ルール」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは行動直後の状態が60秒以内に発生すれば、その行動に影響があるとする考え方です。60秒が経過すれば効果が全く無くなるわけではありませんが、なるべく早く行動後に状態が変われば、行動を起こす強いきっかけになるということです(このことは本コラムの第7回でも触れています。)。
ちなみに、まったく話は変わりますが、世の中にはいろいろなポイントが出回っていますよね。このポイント制度も強化を利用したものです。
これから、この辺の話題についてお伝えしていこうかな、と思っています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

今泉 叔徳 特定社会保険労務士
パートナー社員
群馬県桐生市出身。東京都立大学法学部法律学科卒業。
人事労務関係の課題解決の糸口としてコミュニケーションや対話の充実があるのではないかと考え、これにまつわるテーマでコラムを書いてみようと思い立ちました。日頃の業務とはちょっと異なる分野の内容ですので、ぎこちない表現となってしまっていたりすることはご了承ください。
休日には地元の少年サッカーチームでコーチ(ボランティア)をやっていて、こども達との「コミュニケーション」を通じて、リフレッシュを図っています。
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