従業員数規模による労務対応の再チェック
こんにちは。大野事務所の深田です。
労働関係の法令では従業員数規模に応じて義務を線引きしている事項があるため、会社規模を拡大していくような過程では、自社に課されることとなる義務を見落とさないようにすることが重要となります。その際に注意しなければならないのは、従業員数規模を事業場単位で見る場合と企業単位で見る場合とがあるという点です。具体的には、以下の図表のとおり整理できます。
上記図表のうち労働施策総合推進法(中途採用に関する情報公表)は、常用雇用労働者数301人以上の企業を対象に今年の4月から義務化されたものです。なお、女性活躍推進法に基づく義務は2022年4月から101人以上の企業にまで拡大されることが決まっており、また、健康保険・厚生年金保険の被保険者要件に係るいわゆる適用拡大についても、4分の3基準での被保険者数「501人」以上の事業所を対象としているところ、2022年10月からは「101人」、2024年10月からは「51人」となることが決まっています。
労働施策総合推進法のところで「常用雇用労働者数」と書きましたが、「常時使用する労働者」あるいは「常時雇用する労働者」の定義は法令によって異なっており、主なものをまとめると以下の図表のとおりです。
また、そうした常時使用(雇用)する労働者の数を計算する際に、在籍出向者を出向先と元のいずれに含めるのかという点についても以下のとおりまとめてみましたので、実務対応する上でのご参考となれば幸いです。
執筆者:深田
深田 俊彦 特定社会保険労務士
労務相談室長 管理事業部長/パートナー社員
社会人1年目のときの上司が元労働基準監督官だったことが、労働分野へ関心を寄せるきっかけとなりました。
日頃からスピード感を持って分かりやすくまとめ、分かりやすく伝えることを心掛けています。また、母の「人間は物事が調子良く進んでいるときに感謝の気持ちを忘れがちである」という言葉を、日常生活でも仕事の上でも大切にしています。
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