確定拠出年金制度のいま!
パートナー社員の野田です。今回は確定拠出年金制度について触れます。
確定拠出年金制度(日本版401K)の運用が開始されたのは2001年10月ですので、早いもので19年が経過したことになります。私も制度発足当初より僅かな掛金ではありましたが、個人型DCで運用を始めました。
当該年金制度は、掛金を事業主が拠出する「企業型DC」と加入者自身が拠出する「個人型DC」の大きく2つに分けられますが、現在は、マッチング拠出、選択型DC、iDeCo(イデコ:個人型DCの通称))といった言葉があるように、19年前と比べると内容やメニューが多岐に渡っています。
厚生労働省が公表しているデータによると、令和2年9月末時点での企業型DCの導入事業主数は「36,907社」、加入者数が「約7,498,000人」であり、個人型DCの加入者数は「1,724,017人(第1号被保険者:193,109人、第2号被保険者:1,469,044人、第3号被保険者:61,864人)」となっています。更に、1カ月の新規加入事業主数が「223社」となっており、着実に増えていることが伺えます。第2号被保険者で個人型に加入されている方が約147万人と多い印象です。2017年以降に急増しているようですが、2017年1月の法改正によって、企業型DC加入者がiDeCoに加入できるようになったことが要因としてあるかもしれません。
弊所でも社会保険の被保険者を対象(正社員に限らず)とした企業型DCを導入していますが、数年前からはマッチング拠出も開始しています。私もマッチング拠出にて掛金を上乗せしており、弊所職員の8割以上が掛金を加算しているという状況です。
近年は選択型DC(企業型DC)を導入する企業もあり、年金規程の確認を依頼されることが増えていますが、世間的には、マッチング拠出(企業型DC)と選択型DCの違いについて十分に理解されていないと感じます。ここでは両者の違いについて解説はしませんのでご了承ください。
また、現在のiDeCoには、「iDeCo+(イデコプラス)」というものがあることをご存知でしょうか。これは、企業年金を実施していない中小企業(従業員300人以下に限る)の事業主が、iDeCoに加入している従業員の掛金に追加して、掛金を拠出できる制度です(拠出限度額は月額合計で2.3万円)。マッチング拠出のように企業の掛金に個人が上乗せ拠出できるのであれば、個人の掛金に企業が上乗せ拠出しても良いだろうとの発想でしょうが、個人的には斬新なアイデアだと感心しています。実際、2,009社の中小事業主様が当該制度を利用し、上乗せ拠出をされているとのことです。
この19年間で拠出限度額が見直されたり、国年第3号被保険者が個人型に加入できたり、掛金を上乗せ拠出できたりするなど、DC制度の普及推進に向けた取り組みや被保険者数増加に向けた法改正が度々なされておりますが、現状においても本制度を利用している加入者数は15歳~64歳の人口(約7,471万人)の12%程度ですので、まだまだこれからといったところでしょうか。
なお、令和4年10月以降は、選択型DC加入者がiDeCoにも加入できる仕組みが導入されるようですが、昨今はNISA(少額投資非課税制度)とiDeCoの違いや併用について解説されているサイトもあり、庶民レベルでも老後を見据えた資産運用が広がりつつあることを実感します。
厚生労働省HP:確定拠出年金制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/index.html
執筆者:野田
![野田 好伸](https://www.ohno-jimusho.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/noda-2.png)
野田 好伸 特定社会保険労務士
代表社員
コンサルタントになりたいという漠然とした想いがありましたが、大学で法律を専攻していたこともあり、士業に興味を持ち始めました。学生時代のバイト先からご紹介頂いた縁で社労士事務所に就職し、今に至っています。
現在はアドバイザーとして活動しておりますが、法律や制度解説に留まるのではなく、自身の見解をしっかりと伝えられる相談役であることを心掛け、日々の業務に励んでおります。
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